■ 長井ダムと周辺施設・環境
⑪置賜野川
 置賜野川は、最上川水系の主要な支流のひとつであり、その延長は22.65km、流域面積は約130km²にも及ぶ一級河川です。磐梯朝日国立公園に指定されている朝日山地の最高峰・大朝日岳のやや南、平岩山の南面を水源とし、木地山ダムを経て野川渓谷に至り、その後長井ダムへ流入しています。長井ダムを通った後は東ないし北東へ流路を変え、長井市街地を貫いて長井市成田地内で最上川に合流します。その流域の80パーセント以上が山地で形成され急勾配であることから、急流河川となっており、長井市平野地区を中心に扇状地を成し、最上川、置賜白川とともに長井盆地を形成した要因となった河川です。
 上流部の渓谷は今も昔も侵食が著しく、中流部は堆積谷となっています。地質は、下流部を除いてほとんどが花崗閃緑岩です。急峻な地形であることから洪水が多く、近世中期以降だけでも1757年(宝暦7年)から1860年(万延元年)までに5度の大規模な洪水が発生しています。1769年(明和6年)の大洪水の後には、出羽・越後両国による堤防工事が行われた記録があります。昭和に入っても1967年(昭和42年)の羽越豪雨など、洪水による大きな被害が発生し、反対に日照りになれば渇水に陥ってしまうという河況係数の高い河川でしたが、菅野ダム、木地山ダム、そして長井ダムの建設により現在は安定した河川になりました。
 古くから沿岸の農業用水として利用されており、一の堰と呼ばれる栃木(とちのき)堰、二の堰と呼ばれる九野本(くのもと)堰など、4ヶ所の固定堰が建設され、沿岸の農地に農業用水を供給していました。その恩恵は現在も変わることなく、周辺の田畑の水源として利用されています。


祝瓶山と置賜野川

雪融水の急流

平泉橋
日本三百名山のひとつであり、東北のマッターホルンと呼ばれる祝瓶山。置賜野川の水源地でもあります。
春の雪融け水は野川の水量を急激に増加させ、急流となって下ります。雪解けは初夏まで続くため、6月頃でも野川の水温はかなりの冷たさです。
野川をまたぎ、平山と寺泉をつなぐ橋です。この橋のすぐ傍に江戸時代に建設された締切堤防があります。

■平山の締切堤防遺構
  平山の平泉橋すぐ傍にある締切堤防は、農民の生命をかけた水との闘いの象徴であり、決壊と補修を繰り返した歴史があります。
  置賜野川は宝暦7年(1757年)から明治38年(1905年)まで130年の間に5回の大洪水を引き起こし、
  中でも、宝暦7年の大洪水は被害も大きく、近隣の村々を荒廃させたため、藩や幕府から資金を調達し、
  大規模な堤防の建設に取り掛かりました。
  長さ450mに及ぶ総石積み白い堤防は、野川の豊かな流れと調和し、壮観そのものだったといわれています。
  現在は上流にダムが建設されたため、野川の川床も10メートルほど下がりました。
  木連堰は、締切堤防の中ほどに取り入れ口があり、昭和40年代に新しい用水路が出来るまでの間、
  平山・小出・宮地区への重要な水と燃料(流木)の供給源でもありました。



■野川分水口
  平山の締切堤防よりやや上流にある分水口は、堰が三つ又に分かれ、周辺地域の田畑に農業用水を分配して供給する役割を担っています。
  分水口の周辺には桜が植生し、春には美しい桜を咲かせる隠れた名所です。




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